うたをうたわせたいひと

『うたうたい vol.3 ~sweet vox~』に行ってきました。

 

これは書かずにはいられないし、残さないなんて罪だ。とまで思わされた公演でした。元々洋楽被れで少し乙女ちっくな彼の音楽性が大好きな私は1曲目からツボを推されまくって泣きそうになりながら笑いを堪えることしかできませんでした。

発表時から「オリジナル楽曲をメインに」という方向性は聞いていたものの、それまでにファンが聞いたことのある楽曲は伝説のmissing Uのみという想像し難い公演内容に当日までソワソワは収まらず、何度も体調を崩しそうになりながら開演時間を迎えました。

ここからつらつらと書き連ねていくのはあくまでいちファンの感想とおぼろげな記憶であり、正確な情報やセットリストは既にメディアの力でネットに出ておりますのでそちらを参照なさってください。

 

 

 

0.Opening

コーイチくんがどこまで関わっていたのかなんて私は知り得ないんですけど。かの有名なBody&Groovin'公演を彷彿とさせるかのような大人な、情熱的な出だしでした。すっと登場するコーイチくんに客席も自然と拍手が出てきていて。そこにいたのは間違いなく1号車コーイチでなく、吉野晃一でした。そしてこのオープニングを聞いてなんとなくの1曲目のイメージを立てたのですがそれは見事に裏切られることになるのです。

 

 

 1.Suger&Coffee

1拍前までの大人で情熱的な雰囲気とは一転、ポップで明るい歌い出しと共に今までにない身体の動かし方でステージをいっぱいいっぱいに埋め尽くしたコーイチくんの「パフォーマンス力」が前面に押し出されたザ・コーイチくんのオリジナル曲でした。歌詞も彼女と自分の関係をシュガーとコーヒーに例える可愛い男の子のことを歌っていて、妄想が大好きだと言い切った吉野くんの普段考えている理想がちょっと見えて「カワイイー!」と叫ばずにはいられなくなります。「本当の愛を確かめ合うその日を前に 今は深く溺れたい」「愛の言葉注いでいく」「甘くほろ苦い恋をしようよ」「何もいらない 君さえいれば」なんてロマンチックな言葉のあとに「ねぇMy darling そばに来てDarling」ですよ。いやになっちゃいますね。

 

 

 2.Groovin' Love

1曲目とは違いラップで始まるこの曲はコーイチくんの好きなR&B要素が少し強めに出ている、所謂「グルーヴ感」が随所に盛り込まれていました。一定のリズムで歌詞を淡々と発していく低めの声と散りばめられた英語と少し崩した日本語が「現在っぽい」等身大のコーイチくんな気がして手拍子しててすごく気持ちよかった。「君のMagic マジFantastic」なんて歌詞で少しドキっとしたんですけど、後からMCで自身が音楽を好きだって気持ちを歌った≒君は音楽のことだと聞いて推しへの気持ちが爆発しました。

 

 

 3.TMWL(is)

いやまずこの曲について述べるなら題名の表記からですよ。“Teach Me What Love is”の略なんですけど。推しのセンス爆発しすぎじゃないですか?サビで畳み掛けるように“Teach me what love is.Teach me how to love.Teach me why love.”と繰り返されるフレーズがとても印象的でした。大サビの急にファルセットを使って、歌詞も少し感情的に乱暴になる箇所での歌い分けにも痺れました。「本当の愛ってなんなんだろう」はありがちなテーマかもしれないけれど、「それじゃ間違いってなんなんだろう」ってなかなか考えないですよね。間違いとされてしまう愛について考える時間を人生において自発的に持っている吉野晃一という人間控えめに言ってヤバくないですか?

 

 

 4.Bad Boy

私の大好きなコーイチくんの作詞センスとして単語のチョイスというのがあるんですけど、それが非常に分かりやすく出ていた曲。「君以外じゃ感じれない 君だけの“お話”」「冷めたスープの底に答えはきっとあるはず“だからさ”」なんて話口調を入れてくるからまるで等身大のお話なのかと一瞬感じてしまうちょっとズルいセンスです。「会える日 会えない日 会えても憂鬱な日」なんてふと共感してしまうフレーズを出してくるところもまた痺れる。「熱くKiss me」と「Sweet music」が並ぶ感覚を持っている推しのこと信頼しかできません。

 

 

 5.Don't stand by me

公演後に配信されたもういっちょでも長く使われていた曲。それまでの曲から一変、情熱的で大胆なイントロと歌い出しのピアノとボーカルのみの音のギャップがとても印象的でした。誰かに話しかけている口調なのに独白にも思える閉鎖的な歌詞と重たく息遣いさえも必死に聞こえる、まさに歌い上げるコーイチくんが美しかったです。照明も鮮明な赤一色で、視覚的にも大きなインパクトを残しました。

 

 

 6.White out

後出しになりますが絶対に歌うと確信していた1曲。タカシくんが見ていると知りながら先手を打つ形でタカシくんの歌を自分に完全に取り込んで歌い上げるコーイチくんの笑みがいい意味で大人気なくて、子供っぽくて。余談ですが超特急楽曲の中でどれをカバーするか観客に予想させる件で両手を挙げている人を当てる際に「2本挙げている人!」と言った推しが最高に可愛かったです。

 

 

 7.Synchronism

「次は一緒に歌ったりしてくださーい」の「さーい」が可愛くて記憶が大方飛んでいます。コーイチくんの音楽性もあるけれど、生バンドへの欲求と手応えと自信を大きくしたGroovin'公演を感じずにはいられないチョイスでした。この曲のラップの歌い方が好きなんです。観客に予想を当てられていたので曲名言うときにちょっとボソっと言ったの可愛くないですか?

 

 

 8.My love

出だしのピアノが夕日のような暖かさを持っていて、なのに歌いだしたらそこに吹く冷たい風が見えるような、視覚的な感覚が刺激された曲でした。PVみたい。「My love 会いたいよ」「My love 会えないよ」の対比がすごく切ない。「疲れたよ」「大きすぎるよ」なんて誰かに話しかけてる口調のなかに、ひとりでいることの寂しさと今までいた誰かを思わせる素敵な歌詞でした。

 

 

9.bye bye

 “What should I do?”のコーラスが印象的な、「My love」との繋がりも感じるいい流れの中での披露だったと思います。「ここで待ってるから」と誰かを送り出す優しく暖かい曲。「あの笑顔も照れて目を逸らす癖も」なんてリアルで柔らかい箇所もありますが、「運命なんかに僕らは引き裂かれない」と雰囲気の違う部分もあり、そのギャップに振り回されてしまいました。

 

 

10.Scene

明るいトーンで無理せず背中を押してくれる応援歌です。ちょっと乱暴で強引な言葉で気持ちを奮い立たせてくれるこの歌は、さながら幼馴染こーちゃんから上京のときにもらった餞別と言ったところでしょうか。「世の中ってのはなかなかに理不尽で」「眠れない夜には叫べ 眠った街ごと起こしてやれ」といったむき出しの言葉たちがとても印象的でした。C&Rコーナーで観客に指示を出しているときの声が尋常じゃなく甘くて何事かと思いましたが、とてつもないボーカルパフォーマンスを観客に振って「冗談だよ~この辺やろうとしたよね?」と笑う姿がザ・コーイチくんでしんっどかった!そして本編ラストのこの曲で「ずっとこのまま歌いたい 僕は君と歌いたいんだ」なんて入れてくるコーイチくんズルすぎませんか?あんなにMCでは照れて笑って誤魔化してたコーイチくんがこんなに真っ直ぐに投げかけてくるのかと眩暈がしました。

 

 

11.harmony

和訳すると調和という意味のこの曲。ギリギリの時間で作ったと言っていた通り確かに改善の余地はまだまだあったと思います。それでも2人が特別なうたうたいという場所に向けて一生懸命曲を作ったという気持ちと赤裸々(に見えた)歌詞が本当に本当に大きくて、嬉しくなる内容でした。余談ですがアンコールで登場した漫才コンビ Suger&Coffeeがとっても可愛かったです。緊張しすぎてやまびこのようにコーイチくんの言葉をオウム返ししてたタカシくんバブかった~~!つらい。

 

 

12.missing U

もはや伝説ともなっているこの曲。ずっと聞きたくて聞きたくて、新年会で初めて断片的に聞けたときは思わず泣きました。MCにて、散々事務所にスルーされてきたデモの中で初めて返事が返ってきた大事な一曲だと明かされたのもありまた違って聞こえてきました。恋焦がれるあの人への想いと、なかなか結果を出せない自分への焦りと…なんて思わず勘繰ってしまうような、それだけ考えさせられる素敵な一曲でした。締めに相応しかった、綺麗な終わり方だったと思います。

 

 

というわけでここまで箇条書きで一気に書いてきましたが、あくまで深読みヲタクの妄想ですので悪しからず。

 

どれもこれも本当に素敵な歌ばかりで、コーイチくんの熱意と歌への気持ちと楽しさとたくさんの愛が伝わってきた公演でした。

ところで実はこの初日、コーイチくんがMCで拍手が少ない動きのない観客席に対して「めっちゃ頑張って歌ったのに~」と拗ねたあとで「(もっと拍手して)歌うたわせて?!」と煽る場面がありました。正直コーイチくんと同様、観客席もどうなるのか分からない部分と今まで見えなかったコーイチくんオリジナルの面が見える緊張があったんだと思います。

今回の公演でたくさんのコーイチくんの歌を聞くことができました。だけどまだまだ足りないんです。もっと聞きたい、もっと歌っていて欲しい。初めての好きな人のソロの公演を経てやっぱり思うことがありました。

 

 

 

私のうたをうたわせたい人はコーイチくんです。